都交通局式モノレール
(東京都交通局上野懸垂線)
物件の所在地:東京都台東区
あし:JR上野駅又は京成上野駅より徒歩にて
「上野懸垂線」、聞き慣れない名前である。
しかしこの線こそ、1957年に開業した日本初のモノレールなのだ。
もちろん地方鉄道法により認可を受けている。
当時の東京都交通局の考えとして、
「道路交通は渋滞に影響され経営が難しくなる」
というものがあったという。
代替えのメインは地下鉄で行くとして、
地下鉄を建設する程の需要を見込めない地域の鉄道や、
地下鉄を補助する駅間距離の短い鉄道としては、
モノレールが有効である。
との結論に達していたそうである。
しかし、当時は現在主流となっている方式はどれも
実験段階であり、都交通局は日本車輌と組んで、
独自に研究を開始したのである。
(ああ、また中島みゆきが聞こえてくる・・・)
都市交通としてのモノレールはドイツで実用化されていた。
ウッペルタール(ヴッパータール)市内のヴッパー川の上に、
山形の鉄骨を組み、1901年から運行していたのである。
ランゲン氏の考案したこのシステムを参考に、
車輪をゴムタイヤに代える事により、
騒音の低下、粘着力と乗り心地の向上を図った
「都交通局式」は交差点程の急カーブを曲がり、
急勾配を上り下りでき、高速運転も可能、
建設工期も短くコストも安い。と一定の評価を受けた。
が、実際にはこの路線以外は今の所建設されていない。
現在までにこの路線を走った形式は4形式にも達する。

こちらが今回訪問したモノレールの始発駅。
なんと上野動物園の中にあったのですねえ。
しかし園内施設とはいえ、ちゃんと地方鉄道法に
のっとっております。
運転される方は交通局の職員なのです。

この日は運転再開という事で、学芸会のような
飾り付けがあちこちに・・・
このイラストの形式は前任の30型。
ちなみにこんなに喜ぶ大人は滅多にいません。
おいらは別として(爆)

こちらが券売機であります。
ちなみにカード類は一切つかえましぇん(爆)
自動改札もありましぇん(再爆)
となりにおいてある段ボールがわびさびです。

行ってしまった・・・
林の間を行く姿は様になっております。
ここの懸垂式は特殊で、全国でもここだけであります。
まるでオランウータンですねえ。
桁の下にすぐ架線が張ってあり、小さなパンタグラフ
で集電しております。

これがおそらく現役最古のモノレール支柱。
物の本によれば、地上で組み立て、引き起こした
ようであります。
今は普通の橋脚のように作るんですけどね。

やってきました40型。
まるで路面モノレールのようです。
おでこの部分についているのは回転灯です。
停車中の注意喚起に使われます。

おお、プラグドア採用なのです。
宝くじの収益金は
このモノレールにも使われております。
公営交通の車両らしく「東京都」の銘板も。
先頭部分は前向きクロスシート。
側面には楽しい動物たちのイラストもあります。

これがコントロールパネル。
さすがは21世紀生まれ、鉄道には珍しい
グラスコックピット採用なのであります。
各車両の状態はコンピュータで管理され、
必要な情報はディスプレイされるのであります。
新しい技術を試してみるのも遊覧鉄道の
使命の一つなのであります。

なんと連結部にはこんな銘板もありました。
荒川で検査を受けているとの事。
トレーラーで運ぶのでしょうか?
回送中を見てみたいのであります。

車内はロングシート。FRP製。
しかし窓向きというのが珍しいですねえ。
貫通部は通り抜けできないと書いてありました。
エアコンも当然装備されています。
「ひがしえん」「にしえん」の車内表示(?)
もあります。

これが西園駅舎です。
駅ビルではありましぇん。
上野と言ったらやはりパンダなのでしょうか?
横に写っている作業車両にも注目です。

この駅には上野懸垂線についての説明もあります。
日本のモノレールはここから始まったと言って、
過言ではないでしょう。
実はこれより前に豊島園にクレーンの技術を
応用したモノレールが建設されたのですが、
本格的な交通手段を目指すという意味では
ここが最初なのです。

カーブを抜け、通り過ぎる40型。
そのデザインはウッペルタールの現在の車両にも
似ております。
営業距離はわずかなものですが、
その設備はかなり本格的なのです。

独特の側面形を見せる40型。
ただいま遠足の子ども達を乗せて快走中。
大きな窓は眺めが良いのであります。
都営交通線の中でも人気の路線と思われます。
2代目車両の記録(★トカテツさん提供)
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